外壁塗装や屋根塗装の下地処理ってなに?役割や工程をご紹介

外壁や屋根を塗装するときに最も大切と言ってもいい工程が、塗る前の『下地処理』です。下地処理を丁寧にしているかどうかで、塗装の仕上がりや寿命が左右されてしまうほど、外壁塗装では重要視されている工程です。完成度への寄与率は5〜6割にも上りますので、「塗料で見えなくなるから」と手を抜くと痛い目を見ます。
今回は、そんな意外と重要な外壁塗装の下地処理について説明していきたいと思います。
下地処理の役割とは

はじめに、下地処理がなぜ重要なのかについてご紹介していきます。
下地処理には以下の2つの役割があります。
・仕上がりを美しくする役割
・家を保護する役割
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
役割1 塗料を密着させ、きれいに仕上げる
・塗った直後はきれいだったのに乾かしてみると塗装がムラになっている
・塗料がはじかれて上手く塗れない
DIYで塗装をしたことがある人の中には、こういった経験をしたことがある人もいると思います。
これは、下地処理を丁寧に行わなかった場合に見られる現象です。
実は、一見きれいに見える外壁には汚れやカビ・油分が付着しており、この上から塗料を塗ってもしっかり密着させることはできません。
そのため、塗装の剥離や塗りムラなどの施工不良が起こりやすくなってしまいます。
下地処理不足による施工不良は、どんなに耐久性の高い塗料であっても、どんなに高価な塗料であっても防ぐことはできません。
だからこそ、下地処理は施工不良を防ぎ、きれいな仕上がりにするためには欠かせない工程なのです。
役割2 塗装を長持ちさせ、建物の劣化を補修する
下地処理では、経年劣化してしまった外壁の補修を行います。
この補修作業を行わないで塗装をしてしまうと、きれいに塗った塗装がすぐにひび割れたり塗膜が剥がれたりする原因となります。
塗装が劣化した状態のまま放置してしまうと、劣化した箇所に水やゴミが侵入し、家自体を傷めてしまう可能性も。
とくに厄介なのが雨水の侵入で、雨漏りやサビなどを発生させ、建物自体の寿命が縮まってしまうこともあるのです。
下地処理をしっかりと行えば、ひび割れや塗料の剥離は防げます。
塗料を長持ちさせ、家を保護する外壁塗装の役割を最大限に引き出すためにも、下地処理は丁寧に行なっていきたいものです。
外壁塗装・屋根塗装の下地処理の工程
下地処理がなぜ大切なのかをお分りいただけたかと思います。
さて、ここからは下地処理の詳しい工程について見ていきましょう。
下地処理は、大きく分けて3つの工程を行う必要があります。
『高圧洗浄』で汚れを落とす
下地処理の最初の工程が、この高圧洗浄です。
高圧洗浄機の強い水圧を利用して外壁や屋根の汚れを落としていきます。
一般的に使用されている高圧洗浄機よりもはるかに強い水圧のものを利用し、付着した汚れやカビ・コケなどをきれいにしていきます。
作業に要する時間は半日〜1日ほどで、処理後は1日〜2日程度乾燥させる時間が必要です。
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『ケレン作業』で古い塗膜やサビを落とす
高圧洗浄で汚れを落としたら次はケレン作業を行います。
ケレン作業とは、ディスクサンダーやヤスリなどを使用して、金属のサビや古いペンキの塗膜、木材のカビなどを手作業で落としていく作業です。
とくに、この工程でサビをよく落としておかないと再度サビが発生しやすくなるため、取り残しがないように気をつけます。
『補修作業』で劣化部分を修復
建ててから月日が経った建物は、どうしても劣化を避けられません。
『クラック』と呼ばれる外壁のひび割れや欠損している部分があれば、塗装をする前に補修しておく必要があります。
そのまま放っておくと、ひび割れの周りが崩れてしまい、建物に穴が開いてしまうことがあるからです。
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また、外壁に使用されているサイディングボードを繋いでいるコーキングや、サイディングボードを外壁に貼り付ける時に使用されるシーリングという接着剤の補充・入れ替えを行います。
以上で下地処理は完了です。
下地処理の工程自体はそこまで多くはありませんが、建物全体をくまなくチェックしていく必要があるので手間のかかる作業です。
下地処理は信頼できる業者に依頼することが大切
下地処理の役割、工程についてご紹介してきました。
外壁塗装を行うときは塗装だけでなく、下地処理にもしっかりと時間をかけるようにしましょう。
現在、日本には多くの外壁塗装業者が存在しています。
業者選びを間違えてしまうと高額な料金を請求されてしまったり、下地処理が手抜きで再度工事が必要になってしまったりします。
業者選びは下地処理と同じくらい重要と言えるかもしれません。
優良業者であれば、見積もり作成時に必要な工程の説明、かかる費用の明細を必ず提示してくれます。
大切な家を守るためにも、わからないからと業者任せにせず、ご自身でも理解・納得した上で外壁塗装をしてもらいましょう。
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